企業が事業資金を集める方法の一つとして「株式」の発行があります。株式を購入した「株主」は発行会社の出資者の一員となり、株主総会で議決する権利(議決権)や配当金・株主優待を受け取る権利などを得ることができます。

出典:みずほ証券


株式への投資は、配当を目的としている人、企業の成長を期待している人、市場全体の成長に期待している人など様々です。株主となることで、企業から配当金や株主優待を受け取ることができたり、株価自体が値上がりして利益を出したりすることができます。
一般的に、投資はお金や時間がいっぱいある人だけがやるイメージがあるかもしれませんが、資金力に不安があったりあまり時間をとれない場合でも、投資ができないということはありません。


以下の投資スタイルに関して、資金力と時間の観点から考えてみましょう。
・短期売買 : 同日に同じ銘柄を売買する方法
・長期売買 : 購入した銘柄を長期で保有してから売却する方法
・配当投資 : 銘柄を保有して、株主優待や配当金を得ることを目的とした方法
・投資信託 : プロに資金を預けて分散投資をしてもらう方法

■資金力

 株式の取引を行うときには証券会社に支払う手数料がかかります(証券会社のプランにもよります)。
短期売買は基本的に1日に何件ものトレードを行う手法なので、取引の回数だけ手数料を支払う必要があります。そのため、少額でのトレードだと手数料の負担が大きく、掛けた時間の割に利益が出ない可能性が高いです。短期売買をする場合は、ある程度まとまった資金を用意してからにしましょう。
逆に、投資信託では購入時や売却時に手数料がかからない証券会社が多いです。また、最低購入金額を100円からとしているところもあり、少額で少しずつ投資していきたいと考えている人には投資信託がおすすめです。

■取引時間

東証の取引時間は平日の9:00~11:30と12:30~15:00です。
短期売買は株式市場の取引時間内に何件もトレードを行うため、この時間内に取引を行う余裕が必要となってくるでしょう。また、長期売買や配当投資に関しても、企業が何か問題を起こしたりした場合には株価が大きく下落してしまう可能性もあるため、1日のうちどこか少しの時間だけでも取引を行うことができたほうが安心です。


■調査時間

長期売買の対象となるような企業は、今後の成長余地をしっかりと調査しておく必要があります。また、配当投資に関しては、今後とも安定している企業であるのか、配当がいきなり廃止になる可能性はないか調査しておくと安心です。
短期売買は手法にもよりますが、単純にその日の出来高が大きいような銘柄で行うやり方もあります。この場合、事前の調査はほとんど必要ありません。
投資信託は基本的に少数の銘柄を積み立てていくものなので、最初にしっかりと銘柄選びをしておけばそれ以降ほぼ調査をすることはないでしょう。


■まとめ

資金や時間がない人は投資信託から始めてみることをおすすめします。やはり、100円から投資できて手数料もかからないのはとても魅力的です。
しかし、資金や時間がある人は必ず短期売買をしたほうがいいのかというと、そんなことはありません。ほかの選択肢も併せて吟味しながら、どんな投資スタイルが自分に合っているのか考えてみましょう。